ウェディングドレスとコスプレ(やりすぎ演出に注意すべし)
最近のウェディング衣装のレンタルショップのお店って、必ずしも結婚式専用のドレスだけ置いているわけではないようですね。
和装もあるということから成人式やら卒業式などの衣装のレンタルを兼用で行っていたり、というのは何だかまだ納得がいく話なのですが、舞台衣装のレンタルとか、イベント衣装のレンタルとか何というかオフィシャルの場を越えた衣装を取り扱っている業者さんやお店が増えているようです。
そのせいもあるのかもしれませんが、最近あまりにも奇抜すぎるウェディングドレスやお色直し衣装を考えられる方も多いみたいですね。それが流行ってるのかどうかはよく分からないのですが。
最近聞いたお話を一つ紹介します。
某有名ブライダル用衣装レンタルショップにウェディングドレスの試着に行った親戚が、自分達の衣装よりも、隣で試着をするカップルに釘付けになってしまったというお話です。
レンタルショップに行った事がある人ならなんとなくわかるかもしれませんが、こういうレンタルショップには大きな試着室ならぬ、試着場があります。大きな部屋に1区間ずつ仕切りがあって、奥には全身が見える3面大鏡と、正面には見学に来た人が休憩できるスペースがあります。
ある程度のプライバシーの配慮はされてありますが、正面の見学者席からだと、お隣で試着されているカップルの衣装もカーテンが開け放されていたら微妙に見えます。
自分の旦那さんが試着をしている間(カーテンは閉まっています)、先にカーテンが開いた隣のカップルに何となく目を向けると、そこには超ミニスカート(生足使用)のフリフリ、ぶりっぶりのレースを使用した純白のスカートと小さなシルクハットのような髪飾りから足元まで流れる花柄のベール、基本リボンベースで作られていると思われる編みこみ型の白いドレス・・・どうもウェディングドレスらしいのですが、垣間見た親戚曰く「公的なワカメちゃん」状態の若い女性が誇らしげに立っていたとのことでした。
思わずカメラを構えようかと一瞬考えたらしいのですが、彼女の目の前で「かわいい、かわいい」と手をたたきながら賞賛している旦那さんらしい男性も、中世ヨーロッパの昔の軍人のような赤い衣装を着ており、・・・・結婚式というよりは遊園地のショーに出る役者さんのようだった、ということでした。
奇抜な衣装を選ぶカップルをどーのこーの言うつもりはありませんが、こういった衣装も取り扱っているんだなぁ・・・何か何でもありだなと思ってしまったものです。
いやね、あたくしの個人的な意見からすると、結婚式というのは言うならば「非現実的な空間」なわけですから、普段じゃ絶対に選ばないようなウエディングドレスを着てみるのって素敵だなと思うんですよ。
普段はバリバリのキャリアウーマンは何となくマーメイドラインとか、シンプルなウエディングドレスを選びそうだなという先入観を覆し、ディズニーのお姫様ばりのふりふりプリンセスドレスを来て登場なんかしたら、まずそのギャップに驚き、同時に素敵だなぁと惚れ惚れしちゃうことってあるじゃないですか。
そういう、多少のコスプレ感といいますか、客を楽しませる為のエンターテイメント性って必要だと思うんですよね。普段は絶対着ないような形のウエディングドレスを着てみるのって「似合うかな?似合わないかな?」みたいなドキドキ感もあり、自分も楽しいですしね。
でもね、あまりにも夢の世界に浸透しすぎて現実が見れなくなっちゃう状態に陥る方も、やはり少なくないようです。
最近では、お色直しの際にドレス以外の衣装で登場するという話もちらほら聞きます。
例えば職場結婚にちなんで、職場用の衣装(パイロットとCA、医者とナース、消防士など)を着て再登場してみたり、好きなアニメや映画のキャラクターの衣装を着てみたりとか、着ぐるみを着て、もはや中身が誰かわからない状態になっていたりとか。
しかも、普通の衣装よりは若干サービスが多いといいますか無駄に編みタイツにしてみたり、ミニスカートにしてみたり、小物をあしらってみたりとか・・・
もはやお色直しというよりは仮装に近いという感じですかね。
表向きの理由はそれぞれあります。大半のカップルは「招待客を楽しませたかったから」と言われるのが大半なのですが、後は「こっちの方が衣装代が安かった」とか「持ち込み料がいらなかった」とか「お色直しの時間が少なかった」とか。
ただ、これも結局は「自己満足である」ということ。(まぁドレスを選ぶというのは自己満足の塊なので、決して悪いわけではないのですが)
結婚式は大事な親族や友人、仕事場の仲間などに自分の一生のパートナーをお披露目する為の大事な公的な場所です。
招待客を楽しませようというサービス精神は確かに大切なのですが、こちらの押し付けになっていないかという冷静な判断は必要になります。
ちなみにあたくしの個人的な感想だと「友人の結婚式なら大ウケだけど、親族がやってるとかなり微妙」です。
その衣装の状態で高砂に座るのもかなり違和感があるし、そのまま家族写真などで一生の思い出として残る事になるわけですからね・・
披露宴は新郎新婦の満足できるものにしていくということはもちろんなのですが、招待客に喜んでもらう、祝福してもらうこともとっても大事ですよね。結婚式に来てくれるゲストをもてなすということを考えて衣装選びをすることが大前提であり、わざわざ不快な思いをさせる衣装を選ぶ必要も無いでしょう。
結婚式はあくまでもオフィシャルな場。新郎のゲスト、新婦のゲストにそれぞれ自分のパートナーを紹介する大事な空間でもあるのです。当然、そこで初めて新郎or新婦の姿を見る方も多いと思いますが、わざわざ悪い印象を付ける為の演出を行う必要は無いですよね。
多少の変身感は必要と思いますが、今一度、招待客の立場になって「やりすぎた演出になってないか」「不快な気持ちにならないか」を振り返ってみる事も大事なことですので、今日はこのような記事を書かせていただきました。
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