ウエディングケーキの由来(幸せのおすそ分け)
趣向を変えて、今日はウエディングケーキのお話をします。
一昔前では、ウエディングケーキといえば生クリームデコレーションを見立てた背の高いウエディングケーキが主流だったのですが、これはいわば「ナイフ投入用」のイミテーションケーキ。あたくしが最近およばれする披露宴ではこの手のウエディングケーキはあまり見かけなくなりました。
最近の主流はもっぱら「生ケーキ」ですね。やはり、ケーキカット後の「ファーストバイト」や、ゲストへ幸せのおすそ分けを行う「ケーキサーブ」などの演出を取り入れたい新郎新婦さんが多いという事が理由として挙げられています。このシーンで残る写真なんかもいかにも結婚式的ないい記録になりますし。
しかも、最近ではケーキを作ってくれるパティシエさんと事前に打ち合わせをし、新郎新婦さんの趣味、思考を凝らしたオリジナルデザインのケーキを用意するといった演出が流行っているようです。
例えば、サッカー好きのご主人にあわせてボール型のケーキにしたり、二人の似顔絵を書いてもらったり(ケーキ入刀し辛いですね)、静岡出身のカップルが富士山をモチーフにしたケーキを作ってもらったりと・・・皆様のアイデアとセンスには本当に脱帽です。
まぁ・・・美味しそうかどうかは別の問題として。
「クロカンブッシュ」というのも流行っていますよね。これ正直やりたかった。
クロカンブッシュとは、プチサイズのシュークリームを高く積み上げて、カラメルや飴でコーティングしたケーキのことです。シューはフランス語で「キャベツ」という意味。欧米では赤ちゃんはキャベツ畑から生まれてくるとも言われていて、子孫繁栄と豊作を願って、キャベツに見立てたシューを積み上げるそうです。
幸せが天に届くように、なるべく高く積み上げる事が特徴になっています。
プチシュークリームでファーストバイトとか、なんか可愛いですよね?(大口開けなくてすむしね)
話を戻しますが、そもそもウエディングケーキの由来とは何なんでしょう。
起源は諸説あるのですが、とりあえず有名な話を紹介しますね。
昔、古代ギリシャで堅いビスケットを砕いて、花嫁の頭上に撒いたのが事の始まりと言われています。
ビスケットの原料である小麦は、当時の主食であり、収穫や子宝に恵まれるようにという願いを込めて、結婚の折に花嫁に撒き、繁栄を願ったとのこと。御祝いに集まった人々が、ビスケットのかけらを拾い集めて食べ、二人の幸せを祈りながら、幸福を分かち合っていたといいます。
時を経て、ビスケットをかける習慣はほとんど消えうせ、ジンジャーケーキのようなスパイスケーキに変わりました。最初はゲストが持ち寄っていたものに砂糖をまぶし、ひとつの大きなケーキにすることを考えた人がいました。この時点では生クリームのケーキではありません。「シュガーケーキ」といわれる砂糖菓子のようなものですね。
あたくしが子供の頃は結婚式といえば「背の高い3段ケーキ」という認識がありました。当然、あれがイミテーションだったというのは随分と後になってわかったことなのですが「花嫁さんはあんなに大きなケーキを3個も食べられるなんて、とっても幸せで羨ましいわー」と憧れたものです。
3段ケーキというのも、この「シュガーケーキ」の時代に出来たと言われています。
3段ケーキというのはそれぞれにその由来というか意味がありまして、
1段目 出席した人へのおすそ分け
2段目 当日欠席した人へのおすそ分け
3段目 未来の子供へ
とのことです。
未来の子供が食べられるまで取って置くのは無理ですが・・・。他国では、ケーキをおすそ分けするという事が前提になっており、長期間保存ができるようにするそうです。中身をドライフルーツなどが入った長持ちするフルーツケーキとし、周囲をシュガーコーティングしているのが主流とのこと。
こう由来を辿ってみると、ケーキサーブというのもちゃんと意味のあるものみたいですね。あたくしなんかの倹約家だと「生ケーキの方が配るデザート1品増えてお得じゃん」とか自分達への利益不利益を先に考えてしまいがちになっちゃいますが、古代から伝わった「幸せのおすそ分け」という大切な伝統だったんですね。
食べられるケーキであれば、ファーストバイトもできるしね。新郎から新婦へ「一生食べるのに困らせないよ」新婦から新郎へ「美味しいお料理を作るよ!」の、意味を込めた言わば「誓い」みたいなもんです。
結婚式を節約する上で大切な事は「やってて特に意味の無いことは、はしょっても良い」という事だと思います。(あくまでも自論)
意味の無いこととは・・・例えば目立つ事だけを目的とした演出であるとか、新郎新婦の自己満足のみ満たす装飾系とか(あくまでも自論)
結婚式を節約する為に「省く」「簡素にする」などの手段を取られる方も多いとは思いますが、実際何をはしょればいいのか悩む事って多いですよね。そんな時は、一度「何のために行われている演出、物なのか」などそれ自体の由来や伝統を調べてみてから検討するのも一つの手なのかな、と思い、こんな事を書いてみました。
とはいえ、こういった由来、伝統などを保ちつつ節約する方法というのもアイデア次第でいくらでも可能なんですよね。
最近のコメント