結納はした方が良いのか①(結納の起源とは)
以前、結婚準備のスケジュールという記事を書いたときに、結納について少し触れたのですが、実際「結納って何?何するの?」「ていうか結納って必要?」って思いますよね。
最近では「結婚式はしても結納はしない」という人も多いです。結婚をする為に仲人を立てない人も多い中、仲人不要の略式結納を両家だけで行う所もありますし、むしろ今はそちらの方が主流になりつつもあります(地域によるところもありますが)。婚約指輪を送るだけ、という方針を取られる家もあります。
昨今の日本で、結納をしないという家が多いのは何故でしょう?
結納って、ただただお金がかかるイメージがありますよね。そのイメージの裏付けとなるのはもちろん結納金です。
結納金とは
結納金というのは、新郎家から新婦家へ贈られる金銭の事であり、本来の意味としては「このお金で花嫁支度をしてください」という事です。
なので昔は着物や、帯地などを贈られていたそうですが、時代が変わってそれが現金に代用されたものになります。
結納金の相場はいくら?という疑問もあります。やはりこれも地域の風習や、各家庭の歴史など色んな背景によるものですが、一般には100万、70万、50万など、端数のないきりのよい金額であることが多いようです。
「割れない」という意味合いで奇数を好む傾向もあります。もちろん小切手や銀行振込ではなく、 結納金は現金で贈ります。
必要とはいえ、現金をまとまった金額で用意するというのは、なかなか敷居の高いものですよね。それが結納を敬遠してしまう1つの要素といえます。
結納品とは
結納品とは、円満・長寿・子宝など繁栄を象徴するいろいろな縁起物を、新婦に贈るというものです。またこの結納品のスケールや、一つ一つにかける金額なども地域によって全然違ったりもします(この辺りは長くなりそうですので別に記事にします。)
とはいえ、結納品そのものといえば「ノリ」とか「麻糸」とか「スルメ」とか「コンブ」とかをかなりお金をかけて豪華に装飾して大層なもののような感じに見立てたものです(悪意のある言い方ですね・・)
ですが実際、新婦側からすれば それって貰って嬉しい?という疑問もあったりしますよね。同じお金をかけるのであれば、「冷蔵庫」とか「テレビ」とか「洗濯機」とかの家電三種の神器!今後の生活を豊かにする為のアイテムのほうがありがたい!
・・・というのはあたくしの個人的な意見だったとして。
それでも、いただいた結納品やお飾りはしばらく飾った後は倉庫に追いやられてしまうことも多いはず。
そう思うと、仲人という制度が省略されている現代、もはや結納なんて必要ないよねと思ってしまうのが普通の世の流れだと思います。。
とはいえ、頭から「結納はしない」と言ってしまうと、昔の人に失礼ですので、まずは結納の起源をしっかり理解した上で、どのような婚姻の形を取るかを考えてからでも遅くないと思います。
まぁ、昔の人だって必要の無いことや意味のない事はやらなかったでしょうし、やはり何らかの重要な裏付けがあって必然的に「結納」を行なっていたでしょうからね。
結納の起源
結納の起源は、1400年前頃までさかのぼります
日本書記には仁徳天皇の皇太子が婚姻の際に、納菜というものをお妃様の家に贈ったというのが起源であり、これが現在の結納にあたると言われています。その頃から少しずつ男性側から女性側に婚姻の際に品を贈るという習わしが広まったのですが、当時は公家や武家など、比較的身分の高い人達が行なっていたそうです。まぁ庶民は結婚式というものをする事自体無かったので、当然といえば当然なのかもしれませんが。。
「結納」という語源は、「結いのもの」つまり宴で、皆で飲み食いする酒と肴という意味と、「云納(いい入れ)」という婚姻を申し込むプロポーズという意味の言葉から転じたものともいわれており、これを「結納」と記したと解釈されています。
婚姻を申し込んだよ、ということを他の人(今でいう家族)にも公にし、酒と肴でお祝いしよう、ということでしょうかね。
今の言葉で言えば、プロポーズを受託したという、ただの口約束だけでなく、第三者から公式に認めてもらう儀式ということです。
この手続きにより婚約を確定するという意義があり、位置的には、「口頭の婚約」と「結婚式」の中間に当たります。結婚の約束をした証として、両家の間で金品を取り交わし、婚約を確かなものにします。男性側にとっては、大切な娘を嫁に出す女性側の親に対し、誠意の気持ちを表す場にもなります。
結納をしたカップルは離婚しにくいというのも聞いたことがありますがそれは何故でしょう?
あたくしなんかの感覚では考えられませんが、以前結納の際に、仲人を立てていた時(今でももちろんそのような風習は残っていますが)、この結納の儀の際、必ず行なっていた項目の一つにもしも婚姻が破断になった場合、離婚した場合についての慰謝料・違約金について、資産の振り分けを話し合うというものがあります。
えぇ、結婚することが決まったばかりなのに別れた場合の事を決めるの??
と思いますが、まさに今、婚姻をしますよ!という瞬間に話し合うというのがミソなわけですね。。
もしも、破談の原因がどちらか一方的な都合であった場合、その時点で初めて慰謝料など具体的な責任の取り方についての話になった場合は、どうしても原因側の立場が低くなるといいますか、到底対等な話し合いには成り得ないわけです。当然のように被害を被った側の要望が全て尊重されてしまいます。
そうでなく、婚姻の際、完全に対等な立場にある時に「もしも破談になった場合、別れてしまった場合はこのような責任の取り方をしましょう」という決め事をしておくわけです。
まぁ、当然結婚が決まって幸せいっぱいの時にはこのような話し合いは不要だよ、と思いがちですが、いざ将来的にこのような自体に陥った場合、婚姻の際にこういった話し合いをしている事はとても意義があります。
ただし、新郎新婦その家族から、結納の際にこういった悪い話を持ちかけるのは縁起も悪いので、全く関係のない第三者の仲人さんから提案をする話になります。
こうやって、わざわざ別れた時の責任の取り方を具体的に明らかにすることにより、新郎新婦に枷を掛け合うといいますか、「そうならないように気を付けようね♪」的な、確認を取り合い、婚姻という繋がりをより強靭にすると言われています。
・・・まぁ今やこういった具体的な風習も少なくなっていますが、枷を掛け合う事により、婚姻というお互いの責任を再確認するという意味では、結納をしたカップルは離婚をしにくい。という理由の一つになるのかもしれませんね。。
長くなりますので、一旦切ります。
つづきです⇒結納はした方が良いのか②
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